• 日時:令和3年5月7日(金)19:00~21:00
  • 場所:品川駅 高輪エンパイヤビル 地下1階(会場参加 &ZOOM 配信)
  • 講師:古川益一
  • 司会 :髙橋利至
  • 書記・HP・設営:鈴木一弘・鈴木健太郎・髙橋利至・山田武久

コロナ規制により、今回は急遽上記会場にて行ないました。 

1.学んだこと 感想など

①クライシスは(機会)でもある。逆も真なりを実践する、というのは逆説的でありながら正に 「真理」 だと感じました。これまでに経験しなかった新しい視点でした。

◎Comment

経営の樹は真理に基づき育ててゆきますが、一見すると知識とは逆のように思われるかと思います。しかし真理で捉えると、如何に困難なことであっても解決できることに気づかれていくと思います。

どんな流れにものまれず流れに乗る」 考えに通じてゆくものです。

②クライシスに陥った時、徹底したスリム化と人罪の解雇であると学びました。上杉鷹山が、藩の財政改革の為、それまでかかっていた藩の費用を7分の1に抑える倹約をした事や、改革反対派の重臣を切腹させた事を彷彿とさせられました。

◎Comment

今、世界から日本的経営が見直されています。

その代表が上杉鷹山の 「米沢藩の再建」、恩田杢の「松代藩の再建」などです。人間的な情に訴えて調和を図ろうとした極めて日本的な経営再建例です。

知識を越えた真理としての具体例として是非お読みください。

③PDS会議はとても大事ですが、よく周りで耳にするのが、会社で会議をしても意見しても一方的で我々の話は聞いてもらえない、会社はこうなので守って下さいとかなので、会議は嫌だし憂鬱ということを耳にします。これでは社員は頑張れませんし、一心同体にはなれません。
先ずは社内を見える快、聞こえる快、言える快の風通しの良い雰囲気をつくるところからが第一歩かと思いました。私は、何度もクライシスに陥りました。その未熟な私を幾度となく古川さんに助けられて、反省し、教えて頂き、立ち直り、実行しながら今日があります。私の失敗の理由の一つに、経営という仕事を何も勉強せず、会社を運転してしまった”ツケ”が事故に繋がったんだと猛省しております。クライシスに陥る前に、経営の知識と真理を学ぶことにより、クライシスも傷が深くならず最小限になると思います。
今はお客様、協力会社の方達に感謝し、反省、実行を日常化しております。器以上の欲はかかず、目の前のお仕事を感謝と誠意をもって行うことで、またお声を掛けて頂くことに繋がると今は本当に実感しております。
リスク管理の章を今一度読み返して、自分の会社で出来てないことを再度チェックしてみます。

◎Comment

素晴らしい感想です。ピンチをチャンスに変えた好例と思います。そして注目することは、経営をプロの仕事として捉えているところです。誰でも会社の経営を志す以上、自動車免許と同じように経営の免許証を取得しなければ必ず事故を起こします。 

これからの混乱する世の中を乗り切るには、最低限の経営能力を身につけなければならないことを回りの経営者の方々に広めて頂きたいと思います。

④いろいろとありますが、経営計画書は大切だということ、なぜそれをしっかりと作っていくのかを理解して、会社や社員全員で共有して、その理念などに沿って経営していくことが、とても重要だということを学びました。

◎Comment

経営計画書は、毎年 決算時に 「前年度の反省と今年度の計画」 として作成することを習慣にして下さい。計画書の作成だけで、他の会社とは異質なオンリー1(ワン)会社になれます。

特に金融機関からは圧倒的な信頼を勝ち得ることが出来ます。

そして経営者は、黒字決算へのこだわりが強くなり、業績は自然と上向くようになります。是非試して下さい。

⑤4つの要素、人・物・金・情報、情報とは情けに報いる。日々情報が大切だと感じています。これからの情報についてどのように集めていけば良いか日々模索しています。PDS会議、家族であるからという事でやっておりませんでした。初心に戻り、PDS会議をやっていこうと思いました。

◎Comment

経営というものは取り立てて才能を要求されるものではありません。

平凡なことをやり続けることが非凡な才能を目覚めさせます。「消極策を積極的に実行する」 ことにも通じます。

二宮尊得は”積小為大(せきしょういだい)”という言葉を残しました。

「小さな努力の積み重ねがやがて大きな収穫や発展に結びつく。小事を疎かにしていて、大事を為すことはできない」

という意味です。

飽きずにコツコツとやり続けて下さい。

⑥初参加です。経営は樹木を育てるようなイメージであることが理解でき、その根本は経営理念であるということも改めて感じました。
特に「売上を下げながら利益を上げる」が印象的でした。その意味は、経費(特に人件費「率」)を下げて、売上が通常だった頃に戻ればV字回復であるということ。給料はむしろ上げる、ただし人件費率は下げる=その分多く働いてもらう、は納得です。
まずはテキストを読破したい。今回の講座で読む気になったというのは大きいです。Zoom越しでも伝わる、古川さんのお人柄だと思います。経営には「真理」があるという考え方にも共感できます。実践があってこその真理なので、テキストを読んだ後、もしくは読んでいる途中での行動こそが大事だとも思っています。

◎Comment

初参加にしてこの感想は凄いですね。私は25歳から45年も経営に携わり、自分自身での経営経験とコンサルタントとしての他社の経営経験を合わせると、数えきれない程の業種を体験してきました。

その体験を基にプロの経営者学というものを確立したいと思っています。  
是非ご協力ください。

⑦多柱化と多角化が少しわかってきました。経営者はVOC、社員はTARを周知します。

◎Comment

営業活性化戦略の中に、「消極策を積極的に実行」があります。正に多柱化はそれに当たります。そして大きく失敗することはありません。

TARは、

  • Thanks(感想)
  • Action(実行)
  • Reflect(反省)

のサイクルで 「仕事」 つまり 「仕える事」 の具体的心構えを表したものです。

⑧社員のTARサイクルが、もしかしたら一番難しいのかもしれないと感じました。何が起きても受け入れる、危機とはチャンスでもあることを学びました。

◎Comment

TARは感謝 実行 反省です。それぞれ考えてみましょう。

  • Thanks(感謝)
    全ての仕事に感謝の心を持つこと、感謝は大きく受け入れる心です。
  • Action(実行)
    感謝の心を持てると相手の立場で実行することができます。
  • Reflect(反省)
    実行した結果を反省することにより、さらに成長してゆきます。

ではこのサイクルを回すことの原動力、中心になるものは何でしょうか?それが経営理念です。全ての行動を経営理念を基本にすることでTARサイクルは回ってゆきます。

⑨何が起きても受け入れる、危機とはチャンスでもあることを学びました。

◎Comment

「危機とは危険な時と機会(チャンス)の合成語でありどちらにするかは考え方次第である」と申し上げておりますが、実はもっと深い読み方があります。

江戸時代佐賀鍋島藩、山本常朝(じょうちょう)が説いた 「葉隠」 の名言を紹介します。

大難大変に逢うても動転せぬといふはまだしきなり。大変大難に遭うては歓喜雀躍して勇み進むべきなり

”しきなり”とは大したことはないの意味で、危険なときはあればあるほどチャンスであるということです。チャンスを得るためには危険が必要ということになるかと思います。

会社を経営する以上、危機のどちらに逢っても平然と乗り越える人格と能力を身につけることが大切ということと思います。

2.質問にお応えします

経営者勉強会

Q1.恐らくテキストに書いてあるのだと思いますが、会社の理念や経営計画書の具体的な作り方、作成する為の雛形やテンプレート、作成した後に実際にどう使っていくのかなどを知りたいなと思いました。

◎Answer

  • 経営理念:37頁 
  • 経営体系図の構成要素、経営計画書の作り方:137頁
  • 第7章・経営計画書

をご覧下さい。実際にどう使っていくかは、第8~10章に詳述しております。雛形やテンプレートについては順次作成して行きます。お気軽にお問い合わせ下さい。

Q2.売上を上げても利益を確保するということは良く分かるのですが、世の中にはやみくもに売上拡大を目指し、それが様々な歪を生み出している事実もあると思います。なぜこのような発想の転換ができない会社経営者が存在するのでしょうか?

◎Answer

それは経営そのものを知らないからと思います。「利益は組織、営業、財務の調和により生み出されるもの」という事を理解すれば充分納得する筈です。

これは経営を志す経営者が身につけなければならないことですが、修得する機会もないことも現実です。是非教えてあげて下さい。

Q3.経営計画書を作成する事の大切さを教えてもらいました。自分も簡単なものからやってみようと思います。

◎Answer

「次善を求めて即実行」 です。良いものを作りたい思いが強いといつまで経っても出来ません。先ずは作ってみて下さい。

作る度に、疑問や気づきが生まれ徐々に良いものになっていきます。テキスト第7章を参考にしながら挑戦して下さい。

Q4.常にリスクを抱えている。先生と昨年経営再建をして今は努力をせずにお客様が来るようになりました。しかしお金があると気持ちが大きくなる所があり、再建前のお金の遣い方(ムダ)をしようとする事があります。PDS会議は必要だと思います。反省も必要。きちんとしようと思いました。社長の品性と一心同体の心が大事なこと。今ある事、お客様、全ての関わる人に感謝する事で、リスクもなくなるのではと思いました。

◎Answer

経営というものを仕事として捉えているかどうかです。そして経営者は

「真の人間」 と「法で定められた人間」

の2つの人格をもっています。

この区別をつけることが出来れば楽しい人生を送れることと思います。「会社経営を通して世の中に貢献する」 という高潔な信念を持ち続けて下さい。

Q5.ドイツが東と西に分かれたのは、やはりゲルマン人の同士の争いが原因ですか?

◎Answer

ドイツは第2次世界大戦で米英仏ソビエト連邦の4ヵ国に占領されました。しかし米英仏の3ヵ国の資本主義とソビエトの社会主義が対立を深め、1949年に米英仏の占領地域を西ドイツ、ソビエトの占領地域を東ドイツに分断されました。

その40年後、現在のドイツに統一され現在に至ります。

3.勉強会で学ばれたい内容がありましたら教えてください。

古川益一

1.コロナ後の社会に関する予測を伺うことが多いですが、どれも理にかなっているものだと感じます。本来の主旨とは外れるかもしれませんが、古川先生による未来予測も聴いてみたいと思います。

◎Answer

毎月第一土曜日の午後、陰陽五行風水家相講座を開いております。陰陽思想とは、世の中その全てが陰と陽で成り立っているという考え方です。そして陰と陽は交互に立場を変えお互いを補完し合いながら表れます。(東西文明800年周期説など)

「陰極まれば陽に転じ、陽極まれば陰に転ず」 です。この考え方で予測してゆくと自ずと将来が見えてきます。是非ご参加下さい。

因みに私は、現在のコロナ過は人間社会そのものが大きく変わる為のきっかけと思っています。大きく振り子が動き、元に戻ることを繰り返しながら人間本来の世の中に戻っていくように思っています。

そしてその原動力となるものは、お金ではなく政治、宗教でもない考え方によって、平和な世の中になると思っています。

それは何か?陰と陽のバランスのとれた調和、と思います。

そしてそれが出来る国はどこか、我が日本国がその役割を担うと思っています。

2.税に関する事

◎Answer

経営者にとって税金の仕組みを知らないと経営は出来ないほど重大です。

ところが、税法に関することを知らない経営者があまりに多く、税法によって倒産に追い込まれる場合が多いものです。

税に関しては、第5章・財務戦略にて学びます。特に税金は 「創税」 の考え方をもたなくてはならないと思います。

4.勉強会を通じて、自社にどんな成長をのぞまれているか教えて下さい。

経営者勉強会で学びたい内容

①法人というものの理解

◎Advice

法人とは人間と同じように法律上の人格を認められています。

  • 法人の人格というものはどの様な責任を課せられているか?
  • 法人として生きていくにはどのような生き方をしなければならないか?

などから理解する必要があります。 

最低知らなければならない法人の社会的責任は次の3つです。

  1. 存続責任
    社会の一員として存続をしなければならない
  2. 公共責任
    世の中に害になるものを出してはいけない
  3. 公益責任
    会社を取巻く関係者に利益を公平に分配しなければならない。

そして 「法人として最低の責任は黒字決算を続けること」 を最低目標にしなければならないことと思います。(テキスト21頁)

②私は経営者ではなく組織に属していますが、組織に頼り過ぎるのではなく、自立した個人が組織を強くするという考え方も併せて持っていたいと感じています。

◎Advice

素晴らしい考え方と思います。

「組織とは、個を無視しない全体と、全体を生かす個とが渾然融和となって動く極致を目指すものある」

と言う言葉が組織のあり方を言い表しているように思います(テキスト49頁)

「枝も葉も幹も根もまた、ともどもに尽くしあいてぞ花は咲くなり」 も好きな句です(テキスト36頁)

5.勉強会への質問、要望などがありましたらご自由にお書きください。

①アンケートと課題の章を2時間では少々きついなと思いました。一つの案として、スタートを18:30~にして2時間半(途中休憩10分)にすればアンケートと課題が行けるかなと思いました(※要相談)

◎Answer

次期勉強会が7月よりスタートします。カリキュラム、時間等、改善したいと思います。

②本日は具体的でわかりやすいご説明を、どうもありがとうございました。

皆さまへMessage

古川益一の経営者勉強会

今回も沢山のアンケートを頂きありがとうございました。

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