相談内容
Tさんは一時、株式投資で成功し、借金をしてまで続けていたところ失敗、3,000万円もの借金を背負ってしまった。
そこで借金の返済が出来ないために弁護士に依頼、破産手続きを取った。
ところが本人の借金は無くなったが、保証人になっていた奥様のところに返済請求が来たものであった。
経緯
本来、破産の場合、本人以外に保証人がいる場合は同時に破産手続きを行わなければならないが、どういう訳か奥様の破産手続きをしなかったようである。
そこで怒った T さんは、弁護士に文句を言いに言った。そうしたらその弁護士からは、「借金を半額にする交渉をするので、費用を80万円出してほしい」との返答だった。
その返答に怒り心頭になりながらも悩んでいるところへ、その方の友人が、私を紹介してくれた。
解決方法
誠意を込めた文書による解決=紙頼み
東京都内の喫茶店で、約1時間位話し合いを持ち、私は手紙を書くことにより、恐らく毎月1万円くらいの返済で数年後には消えるだろうと予測した。
自筆で書きたいとのことだったので、文案を作成、収支表も作成した。夫婦の収入約25万円で生活費を差し引いた中から毎月1万円の返済をお願いする文面を作った。
表題は、“借入金返済遅延のお詫びと返済猶予のお願い”とした。作成時間は約2時間である。翌日清書して郵送した。
結果
先方から一週間後、返送されてきた。なんと「これでは収入があり過ぎるので収入を15万円くらいに書き直して欲しい」という文章が入っていた。
指示されるとおりに書きかえて送ったところ、1円も払わずに借金を消してくれたのである。
T御夫婦はこんな解決方法があったのか、と大喜びで、困った人を私に次から次へと紹介してくれ、私と一緒に救済活動をされた。
Point
今回の場合、Tさんが高齢であり、返済の可能性が無いと判断され、誠意を認めて下さり損切をして下さった例です。策を弄さず、正直に誠意を示すことによって解決した事例です。