愛知県R石油、ガソリンスタンド
経営は順調だが同族会社の為、組織としての形が整わず争いが絶えない。これを社長自身の自己改革により克服した。
経緯
昭和52年、実父がガソリンスタンドをオープン。順調に発展、自転車販売、軽油専門スタンド、自動車整備工場と多角化してきました。
しかし、社員は父母の実弟や子供達が多く、同族経営の為、規律ある組織が出来ず争いが絶えませんでした。
実父の後を継ぎ、多額の借入金を完済
平成16年春創業、
28年目に社長が他界。
娘二人のうち、長女の私が2代目を継ぎました。
いざ経営を引き継ぎ、帳簿を見ると2億円近い借入金が残っていたことにびっくりしながらも返済するため、捨て身で働くことを決意。
年間5日の休日のみの毎日を送るようになり7年で完済しました。
勉強会に参加、経営を学ぶ
社長就任前までは主婦であり経営者には縁がなく、ただ働くだけだったのでT同友会という勉強会に参加。熱心に学びました。
そこでは大きく 2 つ教えて頂きました。
- 売り上げを上げるにはどうすれば良いか
- 社員は大事にしなければいけない
この 2 つはなるほど、その通りだと思いました。しかし、いざやってみると却って苦しむ事が多くなってきたのでした。
- 売上を上げようとしても簡単なものではありませんでした。
- 社員を大切にすればする程、我儘となり、私の悩みが大きくなるばかりでした。
- 経営指針や経営理念の大切さも教えて頂き実行しても、経営の苦しみから逃れることは出来ませんでした。
このように悩みは減るどころか、
大きくなる一方でした。
『経営の樹を育てる会』へ参加
令和2年、友人の紹介で「経営の樹を育てる会」を知り、参加して勉強することになりました。
すると、それまで勉強をして来た内容と大きく違うのでびっくりし、戸惑いながらも希望を持ち参加しました。
例えば「売上は上げるものではなく、上がるものである」なぜならば「売れるか売れないかはお客様が決めるものだからである」など、目から鱗の内容でした。
この会の「経営の知識は真理を学ぶことにより活きる」と言われることに納得し、1年程通いました。しかし、仕事の忙しさに負け、徐々に足が遠のき行くことも無くなりました。
労使間の確執が顕著化
社内は何時も燻り続けて、社内のチームワークが取れずどんな計画を立てても、ミーティングを行なっても何も返ってこない状態でした。
所属の T 同友会では、社員を大切にしなくてはいけないと勉強していましたので、変わる事を信じて朝一番に出社して、『おはようございます』と 1 年間声をかけ続けました。
それでも一切返事をもらえないことには、
私の至らなさの為だと思い続けました。
社内の反乱により、反省と決意
令和4年秋、突然勤めていた妹が社長宣言をしてしまいました。とても気の強い性格のため気を使い放任してしまったことにより、暴挙に至ってしまったのでした。
何故このようになってしまったのか?大いに反省をし、本当の経営者になることを決意しました。「経営と家族の分離」です。とても辛い決断を強いられて、すぐに決断できませんでしたが、決断できたのは、改めて真理を学び直したからです。
経営の樹を育てる会に改めて参加する
ここで改めて経営の樹を育てる会に参加し、古川先生に相談しました。その中でハッとしたことは、自分に対する向き合い方の違いでした。
今までの『自分を信じる』と言う教えです。しかし、先生は『自分を信じるな』と教えて下さいました。確かに自分を信じての現状なのですから、自分を疑わなくてはいけませんでした。信じなくてはいけないことは、世の中の道理、摂理と言われる真理であることを理解出来るようになりました。
真理を学ぶに従い、経営者としての一本の筋が出来ると、少しずつではありますが、本質が見える様になり行動が変わりました。
それでも、先を見据えたはずですが行動と言葉がぶれてしまい先生に大いに叱られました。この時、「叱られる」と「怒られる」の違いが分りました。ベクトルが自分か相手の将来に向いているかを聞き取れるようになり、相手の感情で自分が揺らぐ事が随分少なくなりました。
それから、先生と幾度となく先を見据えた話をしました。
するとある日の朝起きた時、不思議と決意が固まり不安が小さなものとなりました。そして、一人でもやり抜く決意が出来ていました。今までにない強い決意です。
これを何と表現すれば良いのかわかりません。
『経営者が変われば会社が変わる』
その後も問題は、次から次へと起こりましたが、先を見据えた決意を基に、解決をして行くことで相手も少しずつ変わっていくようになりました。
今まで、心の勉強が足りていないが為に起こった問題がどれ程あったかと反省しました。
まだ、経営の樹を育てる会での、真理と心の勉強を実践している途中ですが『経営者が変われば会社が変わる』は本当なのだと体験中です。
まだ、道半ばではありますが『会社経営は夢に満ち溢れたもの』を経験したいと強く思っています。その思いが日増しに強くなっています。その為に、再建計画を立てこの危機を良い機会に変えていきたいと決意しております。