善意総和型再建方法
  • 日時:令和3年5月21日(金)19:00~21:00
  • 場所:品川駅近「高輪エンパイヤビル」 地下1階、会場参加&ZOOM配信
  • 講師:古川 益一
  • 司会:髙橋 利至
  • 書記・HP・設営 :鈴木一弘・鈴木健太郎・髙橋利至・山田武久

コロナ規制により、本日も上記会場にて行ないました。 

1.学んだこと 感想など

①善意総和型再建方法の特徴が良く分かりました。手法は一見簡単に見えるものの、実は経営者の主体性、自立心、覚悟が問われるのではないかと感じました。

◎Answer

その通りです。「簡単なようで大変」 であると同時に考え方を変えれば 「大変であるようで簡単」 でもあります。

真理の理解が進むにつれて徐々に理解して頂けるものと思います。

②本日はありがとうございました。参加を重ねる程に深く理解が出来て来ている様に感じます。自身の体験を振り返りながら読むと、考え方を180度変えて考えて行く事の重要性が分かりました。形はどの様にでもなる事が身に沁みました。これからはもっと自分の信念に基づき重要なものを大切にして行きたいと思います。

◎Comment

徐々に理解が深まっているご様子、大変嬉しく思います。理解が深まるにつれ、自然に全てのものが良い方向へ整い始めていくものと思います。

③次善策をスピーディーに実行、とても心に残る言葉になりました。 週間断続する事で、小さな事が大きく変化していくと感じました

◎Comment

次善の策を即実行する習慣が身につくと、プロ経営者10訓 (31頁) の3、プロは時間のものさしがない、に近づいていきます。

自然な形で将来を見通す力も身についていくものと思います。是非実行して下さい。

④ 会社を取り巻く関係者の善意の総和による再建「善意総和型再建方法」”どんなに苦しくても必ず再建できる”とありますが、ひとつだけ再建が難しいと思う事があります。それは関係者の善意を引き出す品性が社長に備わっていないときではないでしょうか?品性は経営の樹で例えると”土壌”。その土壌に健全な栄養(品性)が行き渡っていなければ、関係者の善意を引き出すことは出来ないと感じました。万が一のクライシスをあえて想定し、多くの関係者の共感・協力を得る事ができるよう、平常時でも品性を高める努力を怠らないよう1日1日を丹念に過ごして行きたいと思います。

◎Comment

的確に受け止めて頂き感激です。 仰る通り、全ては経営者自身の品性に行き着きます。経営の樹を育てるには、豊かな土壌が必要です。

逆に言うと、経営者が品性向上に躍起になれば、どんな再建も可能になります。その前に品性ある経営者に率いられた会社は経営不安に陥ることはありません。

⑤事業拡大の努力をして売上を上げようとすると何れは停滞する、であれば生き残るための努力をすること。また顧客満足度を高めるために経費が経営を圧迫し、経営難になるのであれば、経営に合わせた顧客サービスを創り、顧客満足度を高める等、逆の立場で考える勇気が大切であり、その為には自分の器と現在地を把握することだと思いました。

◎Comment

その通りです。

つまり経営の樹を育てるように栄養豊かな土壌に根が地中深く根を張れば、自然に幹は太り、枝葉が繁ることと同じです。

⑥4つの再建方法について再確認しました。利益三分割法、当社もおかげさまで今期は黒字になりそうです。ただ昨年再建をしたばかりなので、慎重に対応したいと思いました。現状分析と方針決定について日々大切さを感じています。現状把握の重要性、誠意の大切さを改めて再確認しました。

◎Comment

会社再建はそれ程難しいものではありません。難しいのは経営者自身の意識改革です。

  • 日々感謝と反省を忘れない心
  • 誠意、つまり誠を尽くす

など、いかに自分自身を律していくかにかかってきます。

⑦ 再建計画実行は雪だるまの芯を転がすこと。「雪だるまの芯を作る」 のはとても大変でした。誠意を尽くす、感謝する心、社長の品性、関係者の協力、きちんと芯を作り転がすことで無理なく売上も上がり、無駄も無くなり支払いも出来るようになり計画通り出来るようになりました。温かく見守っていただいた銀行さんや税務署、そして業者さんや私達を信じてお店に来ていただいているお客様に本当に感謝しています。再建はとても簡単なもの。沢山の方に知って頂きたいと思いました。

◎Comment

このような感想を頂くことは何より励みになります。

最後の “再建はとても簡単なもの” この一言の重み、この一言をこれからの混乱する世の中に広めたいと願っています。ありがとうございます。

⑧ 経営再建の手法として4つあげて頂いて、大変だけれどなんとかなる、とお話し頂きましたが、実際に再建するとなると相当なパワーが必要だなと思い、できることならやりたくないなと思いました。一番良いのは、再建するような状況にならない事。日々の様々な出来事に対して、常に真理を意識して取り組むことが何よりも大切と感じました。その前提としての経営者の人格、誠実である事、これを常に誇れるものにできるように日々精進したいと思いました。

◎Comment

素晴らしい考えです。その様に日々精進されている方には、再建など縁の無いことです。

仮に社内外の変化で窮地に陥ることになっても、周りの人達が協力してくれます。コロナ後の世界がどうのようになっても恐れることはないと思います。

⑨ 再建計画書という存在、決算書をみて反省点を探す。いままで、赤字で悩むだけで、やみくもにする事を探していたので、しっかりとした人件費率、損益分岐点など数字を知るのが大切と学んだ。銀行に誠意をもって対応していくこと。 銀行が味方になるという言葉が大きな学びでした。

◎Comment

原点に戻り経営というものを見つめ直して下さい。

すると今まで分からなかった一つ一つが霧が晴れるかのように見通すことが出来るようになり、再建への道筋が立てられると思います。

⑩ 「逆も真なりならば10ポイント」社長として器量を磨く努力をしてきた。 しかし、その結果として会社が黒字ならない。 ならば、自己の器に合わせて形態に変えてみよう。との文章がとても印象に残りました。自分の器を知り、自分の器に合わせた仕事をしていきたいと思います。

◎Comment

知識は努力せよと教えます。真理は器の中で努力することを教えます。

1合に2合は絶対に入りません。 逆に言うと1合ならば努力は必要ありません。真理の経営の原点でもあります。

⑪ どのような危機に瀕しても捉え方次第で全く異なり、その後の人生も大きく変わるのだと感じました。善意総和型再建は人と人との善意で行われる為、その人の品性が問われるのだと感じました。知識ももちろん大切ですが、人としてどう生きていくのかが大切なのだと改めて感じました。

◎Comment

知識のある人のことを出来る人、 品性のある人は出来た人と言われます。

やはり出来た人になりたいですね。

⑫ 多くの経営者は自社の立ち位置がどこにあるのかわかっていないのが殆どかと思います。どうにもならなくなって初めて気づくことが多いと思います。再建が教訓になり、二度と同じことは繰り返さない様にすることは最もですが、先ずは目を背けず、今の実情を見つめ分析することが大事だと思いました。今日の勉強会で、先ずは経営難に陥らない様に、先生の推奨する経営計画(書)をしっかり立てることが重要だと思いました。あとは、事例集の中でも、古川先生がお話された中にも、会社の企業理念を社員全員に浸透させること、とても大事だと思いました。龍洞の “お客様に満足して頂く” この一言で社員が今何をすべきかの答えが上司に聞かなくとも直ぐに出て来て行動できる、素晴らしいことだと思いました。私も何のために生きていくのか、限られた人生の日々をただ忙しく過ぎる毎日を、意味のある生き方の日々にしていきたいなとこの勉強会で気付き思いました。本日も有難う御座いました。

◎Comment

素晴らしい気づきです。多くの経営者がこのことを気付いて下さるとまたたく間に会社は良くなり、有限の人生を楽しく生きられると思います。

この御意見を龍洞の皆さんに伝えます。ありがとうございました。

2.質問にお応えします

経営者勉強会への質問

Q1.「誠意を持って払わない」は当講義でも代表的なフレーズですが、あえて長期分割を受諾した側の心境がどのようなものか興味があります。もし 誠意を尽くし、支払いができない状態に陥っても金融機関、もしくは個人の貸主は「それは仕方がない」という心情になるのでしょうか?借入金が誠意によって”溶ける”までに至る、相手方の心の過程を知りたいです。

◎Answer

人は神の心、人の心、鬼の心の3つの心を持っています。

この3つの心がくるくる回るのが人生であり、それも楽しいことであると思います。つまり、物理的に不可能であっても、心の世界に於いては物理的なものはあまり意味を成しません。 お互いが神の心、つまり思いやりと調和心を持つことが出来れば自ずと解決していくものです。

相手の心の過程については第11章再建への心構えで学びましょう。

Q2.「争いは避け、和合する」この考え方は個人的に現場で実践する上で、とても役立っております。しかしながら、中国共産党のように和合すると見せかけて、裏では超限戦を仕掛けてくるような油断ならぬ国、および人間に対しては断固受け入れない姿勢を貫くことも必要なのではないでしょうか?

◎Answer

世界の全てのものは陰陽の両面で成り立っていることはご理解されていることと思います。

陰は心、陽は形です。

形の上での出来事は、ほぼ全て妥協してしまえば済むことだらけです。つまり “あれもいいね、これもいいね” の世界です。しかし心は妥協できません。 断固受け入れない事です。 論語にある 「和して同せず」 と言われる通りです。

Q3.借入金返済、未払金、買掛金の分割支払いなど時には物理的にハードな局面もあるかと思います。そういった場面を乗り切るための平常心を保つコツのようなものはありますでしょうか?

◎Answer

真理に基づく教え方をすれば平常心を保つことができます。

  1. 真理に基づく
    自分自身を客観的に見つめることと戦略的な思考です。
  2. 戦略的
    結論を定めそれに行き着くように相手の心を誘導させていくこと。

この2つかと思います(テキスト27頁をご覧下さい)

Q4.自分の器を知ることができた。 古川講師の体験談をお聴かせいただけますと幸いです。宜しくお願い致します。

◎Answer

私は高校生の時、人生の指針として 「その場その場で一番を目指す」 と定めて生きてきました。以来、何らかの形で一番を目指し、実際にその通りに生きてきました。

  • 17歳~
    高校生の時、勉強では負けるので生徒会長をしました
  • 21歳~
    就職先で営業マンとして1番でした
  • 30歳~
    独立起業してからは、リフォーム業界施工棟数で県下で1番でした
  • 41歳~
    ファッションホテル再建数で県下で1番でした

ここまでは曲がりなりにも達成してきました。

そしてリフォーム、建築、不動産などをひっくるめた総合建設業として県下1番を目指していた矢先、52歳で倒産、それまでの形の世界での一番になることの虚しさを感じたため一切放棄しました。

以来、心の世界に於いての一番を目指して生きております。

再建コンサルタントとして真理に於いての再建で1番

そしていつの間にか再建数も300件を越え、回りを見渡しても同じような仕事をしている人がいないことを発見。インターネット上の再建事例で1番にランクされていることから1番の自覚をするようになりました。

以上が手前みそながら私の経緯です。詳しくはテキスト24頁、倒産から産まれる新しい人生 及び253頁、倒産による人生再建事例15をご覧下さい。

Q5.売上利益率について不動産の場合、どの位利益率を見ていけば良いのでしょうか? 通常私達の慣例としては10%位かと思います 如何でしょうか?

◎Answer

不動産業でも仲介、売買、管理、コンサルタントなどその扱う経費のかけ方、難易度によっても違うと思います。お客様が納得し、会社としても収支が成り立つ利益率が理想と思います。

見方を変えて、慣例に従がうのではなく、会社の効率を追求して利益率を下げても回転率でカバーすることが出来ればお客様のためになりお互いに発展していくものと思います。

Q6.私の会社の理念 【明治温泉は幸せのサイクルを創り出す宿です】 として、お客様と従業員、その地域に幸せと明るさを創り出したいと思い創りました。ですがなかなか従業員に想いが伝わらず、一人空回りしている感覚です。これを従業員としっかり共有していきたいのですが、どう伝えていけば良いのか、教えてもらいたいです。

◎Answer

快適な職場を作ることに尽きると思います。テキスト58頁、快適職場の三要素 “見える、聞こえる、言える” の通りです。社員全員に対し、

  1. 会社の状況が見えるかい(快)?
  2. 私(経営者)の言うことが聞こえるかい(快)?
  3. 私(経営者)に対し言いたいことが言えるかい(快)?

と問いかけて下さい。そして3つの約束をして下さい。この約束を実行できれば必ず好転していくものと思います。 

Q7.平日、再建事例の紹介がありましたが、再建の前後でPL BLの数値がどのように変化したかも見てみたいと感じました(開示できる範囲で)

◎Answer

快一例として説明します。

⦿PLについてはホップ、ステップ、ジャンプでU字回復を目標にしています。

PL BL

※比率の分母は人件費比率のみ売上利益、他は売上

⦿B/Lは徹底的なスリム化を図りながら再建過程に於ける税金対策を考えます。つまり累積損失を利用して棚上げした、未払金の返済を優先してゆきます。

  • 流動資産:不良資産の温存、在庫、未収金など
  • 流動負債:資産減少を伴う負債は温存
  • 固定負債:       〃

決算については再建実施後、営業利益計上に合わせて累積損失のバランスを取りながら、銀行との関係改善を図りつつ経常利益を計上してして行きます。

言い方を変えると累積損失が計上されていない場合、再建は困難ということです。

3.勉強会で学ばれたい内容がありましたら教えてください。

経営者勉強会で学ばれたいこと

1.人生について、家庭のあり方について、夫婦のあり方について、今の時代は自己主張ばかりで、スマホの普及で夫婦の会話も無くなり、秘密も多くなり、不倫や不特定多数との出会いや連絡ができる様になり、薬物や悪い詐欺に手を染め易くなったり… 仕事でもスマホが便利過ぎるので、頭で考えない人ばかりです。直ぐに来い!直ぐにやれ!直ぐに手配!が多すぎます。 ちゃんと段取りや準備しない方があまりにも多すぎる…生活も仕事も、人間として大切な事を見失っている気がします。 そんな思いがあり古川先生から何かあればお願い致します。

◎Answer

私は70年も生きてきましたが、世の中の移り変わりは早く、とてもついてゆけません。パソコンもスマホも扱えず、時代に取り残されているように感じています。この勉強会の進行についても、ZOOMなどインターネットを使っていますが、私は何一つ出来ません

このように世の中に合わせようとしても出来ないのであきらめています。それでは何をより所に生きていくのか? と言うことになります。私は、52歳から形のないもので生きて行こうと思い立ち、20年経過しました。その結果色々な悩みが殆ど無くなりました。

あっても 「たいしたことない」 「どっちでも良い」 「これは流してしまおう」 「嫌なことは忘れよう」 「人の善悪を考えるのは止めよう」 「嫌なことはしないようにしておこう」 「無駄な努力は止めよう」 など思うようになってから悩みらしい悩みはなくなりました。

ご質問の内容についても 「嫌なら関わらなければ良いこと」 のように思います。知識と真理の考え方の違いをとことん身に修めて頂きたいと思います。

  • 仕事とは仕える事
  • 仕事は頼まれてやる事
  • 頼まれた以上、人の評価は兎も角としてベストを尽くす事

など極めてシンプルな事ですが重要なことと思います。私は現在の再建の仕事についても経営の真理追求についてもこのように思ってや 
り続けて行きたいと思っています。

2.経営1年目から10年以上経営されている人々にとって最も重要な資質

◎Comment

経営者としての経験年数は全く関係はありません。何年たっても駄目な人は駄目です。成長する人はどんどん成長してゆきます。成功しても油断して元に戻る人もいます。

どんな人であっても経営の真理というもの 「こうすれば必ずこうなる」 という道理を学ぶに如くはないと思います。

3.経営再建をしていきたいが、特にコロナ禍で集客が厳しくなった。この挽回のタイミングでしっかりした黒字を意識した経営を学びたい。

◎Comment

この環境をチャンスと捉えるということは素晴らしいことです。再建は普通出来ないことを思い切って出来るチャンスでもあります。  このコロナ禍は経営を修得する絶好の機会です。

4.会社の経営形態を柔軟にすると言う視点が新鮮です。この考え方を個人のものの考え方にも生かして行くことも、これからの時代に合うのではと考えています。

◎Comment

会社でも個人の生き方でも同じと思います。是非活用して下さい。

4.勉強会を通じて、自社にどんな成長をのぞまれているか教えて下さい。

勉強会への質問

1.私自身が、経営について自信の無い経営から、しっかりとした根っこを張る経営者として成長したい。また勤めてくれている社員が希望や夢を持てる会社に成長し、その社員を応援出来る会社になりたい。

◎Comment

会社が苦しい時、経営者は一人で悩まず、社員と一心同体になる努力をされることをお勧めします。対境関係図 (24頁) 経営の樹体系図 (45頁) を参考に話し合うことをお勧めします。

2.弊社はまだ整っていない部分が多いです。快適職場の三要素が揃い、各々がいきいき働ける環境の整った職場としたいです。

◎Comment

簡単です。社長が社員に見えるかい(快)?聞こえるかい(快)?言えるかい(快)?と聞き、どうしたらそうなるか相談することです。 つまり社外に於いては代表取締役社長、社内では代表相談役社長になられたらいかがでしょうか?

3.法人設立に向けて勉強会で学んだことを通じて、個人では品性を高め、自社では生き残る為の強い経営をしていきたいと考えております。

◎Comment

素晴らしいですね、言われるとおり会社の発展の基礎は社長の品性です。会社と個人は常に一体不可分の関係であることを念頭において下さい。

5.勉強会への質問、要望などがありましたらご自由にお書きください。

1.途中参加ながら温かく出迎えていただきありがとうございました。引き続き参加できる時は会場へ直接足を運んで多くの事を学ばせていただければ幸いです。

◎Comment

コロナ禍の中、夜外出することは大変と思いますが、是非お出掛け下さい。お待ちしております。

2.初めて、経営というものを勉強出来たと思いました。 これから会には出られる限り出たいです。

◎Comment

当勉強会では、起業から閉鎖まで全てに対応出来るよう応えて行きたいと思います。徹底的に学んで頂き、大いに発展して下さい。

3.東京の勉強会は、会場とオンラインを共有共存していくことだなと思います。生には生の良さも有り、オンラインも遠方の方もリアルに参加できるメリットも有り。これからもより良い環境を整えて行きたいと思いました。

◎Comment

事務局の皆さんのご尽力のお陰で、オンライン配信(zoom)により遠くの方も参加出来るようになりました。どうぞよろしくお願いします。

皆さまへMessage

【第1回】古川益一の今週の言玉

今回も沢山のアンケートを頂きありがとうございました。