• 日時:令和3年3月19日(金)19:00~21:00
  • 場所:品川ステーションビル7階「ふれあい貸会議室」ZOOM配信
  • 出席者:ZOOM 約10名
  • 講師:古川益一
  • 司会 :髙橋利至
  • 書記・HP・設営:鈴木一弘・鈴木建太郎・髙橋利至・山田武久

経営の樹を育てる会、第5回目の勉強会をZOOMにて行いました。

1.学んだこと・感想など

①「売上を減らしながら利益を上げる」 ということをやっと理解出来るようになりました。数字を額ではなく率で見る事が大切と改めて感じました(複数あり)

◎Comment

「売上利益は売上利益率で考えるもの」 そして 「営業と財務の調和の重要性」 が理解出来るようになられたものと思います。

②「収支は健全性を、資金繰りは安全性を見るもの」 ということが腑に落ちました。

◎Comment

2つの違いを理解することは、財務の基本ですが、意外と分かっていないようです。更に「貸借対照表はバランスを見るもの」を加えて下さい。

③財務は未来への判断材料、決算は黒字を貫く事

◎Comment

財務は未来への判断材料にすると、どんなことがあっても決算は黒字を貫かなければならないことが理解できると思います。そして、黒字決算は社会の一員として認められる為の義務であることを忘れないで下さい。

④工事を始める時に必ず実行予算を作成し各業者に発注していますと、赤字になることはまずありません。

◎Comment

経理、財務、会計の違いを把握することはとても大切なことです。

  • 経理は、過去の数字を記録すること。
  • 財務は、未来の収支を計画すること(実行予算はこれに当たります)
  • 会計は、報告すること。

これらの違いが悟れれば実行予算書の重要性が理解できると思います。

⑤私は古川式決算書を毎年作成していますが、会社のお金の動きをちゃんと把握出来て、ムリ、ムラ、ムダがほぼなく順調に経営が出来てると思います。自分自身で決算をやってみる事は、会社の経営状態を把握する為に是非おすすめ致します。会社の財務状態を知らずに経営をしている方が非常に多いと思います。この勉強会を世の経営者に広めたいと思います。

◎Comment

決算そのものは仕組みを知ると意外と簡単なものです。小企業の場合、経営者自らが作ることは、自社の財務状況を把握することになり素晴らしいことです。税理士がやらなければならない理由は、銀行などの信用度の問題です。税理士が作成したものでないと、融資対象にならないというデメリットがあります。しかし、経営者が会社の実態を把握するには大変役立ちます。

⑥財務戦略=売り上げが減っても「利益が上がる体質」にする。仕事のムラを無くせば自然とムダとムリが減っていく。この2つを現場で実践する事の重要性を改めてその大切さを感じる事が出来た。

◎Comment

今この2つの基本は、会社再建の鉄則の一つ 「消極策を積極的に実行する」 ことに繋がります。ムラを無くすためには、業務マニュアルの作成が必須となります。

⑦「仕事は断らない」 ということをやってきましたが、「お人よし」 に付け込まれる形で半ば騙されたような気分になることがかつて今までたくさんありましたが、「断る」 という基準が見えてきました。「本当に困っている」のか「あわよくば」と考えているのかは何となく、何となく感じていました。これからはそれをもっと信じることにします。本日はありがとうございました。

◎Comment

この変化は経営者としての器が、徐々に大きくなってきているためと思います。

⑧「売上を減らしながら利益を上げる」 は目から鱗でした。業績が悪くなると、それを挽回しようと、売上アップを計画しがちですが、そうではなく、人件費を40%以内に収め、その他の経費のムダ・ムラ・ムリを徹底に排除していく。「財務戦略上、収益性向上は、売上利益率向上と経費削減に尽きる」という事を肝に銘じたいと思います。

◎Comment

すばらしい気付きです。 確実に業績は向上していかれると思います。

⑨経営についてだけでなく、社会全般に共通する内容だと思いました。どんな理由であれ不正に乗ってはいけないという事。

◎Comment

会社は法で認められた人間、そして法人と呼ばれます。 従って人間としての常識は必要です。経営者は社会的責任として、社会性・公共性・公益性の3つの責任を守ることが、義務になります。

⑩私は会社勤めを行なっていますが、経理部門と事業ラインと2つの職場を経験しています。正しくあろうとする経理部門と、事業を運営している事業ラインの、それぞれの考え方の板に挟まれながら、妥協点を見出すところを日々模索しています。そのような状況の中で、テキストにもあった財務戦略10訓にある考え方にとても助けられています。

◎Comment

財務戦略10訓が役に立っていること嬉しく思います。よろしければ助けられた例を具体的に教えて下さい。

⑪決算の2ケ月前後に仮決算をしてそう創税する。素晴らしい事と思います。先を見る事で全体の調和を取る事への重要性を感じました。

◎Comment

仮決算の習慣がつくと確実に「創税による黒字決算」を作ることにつながります。

⑫経理と財務は同じように思いました。財務は未来への判断材料。税理士を全て信じず自分でやらなくてはならない。経理と財務をきちんと頭に入れてやっていかないとならないと思いました。なかなか難しいですね...

◎Comment

この2つの違いを理解すると会社内外の動きが読めるようになり、プロの経営者に近づいたことになると思います。

⑬すべての数字を率で見ること、全体で見る為には必要な事と改めて思いました。

◎Comment

内容の良い会社は率で見ています。 拡大よりも内容ですね。

⑭経営方針のテーマの一つ 「売上を減らしながら利益を上げる」 これは営業戦略であり財務戦略である。

◎Comment

この2つの戦略の調和の重要性が理解出来ると求めなくても、自然な形で売上の増加と利益の増加につながります。

2.質問にお応えします

Q1.変動の激しい世の中で未来への財務計画を立て、その後、大きく計画通りにいかない場合の対応の仕方はどの様にすればよいでしょうか。

計画はどれほど綿密に練っても狂いは生じるものです。

様々な環境変化により、仕方のないことです。問題は、その不測の事態に対する対応の仕方です。順を追って考えてみましょう。

  1. 計画を立てる時の考え方
    客観的に分析した悲観的な計画を楽観的に実行する (テキスト227頁) 方針ならば大きく狂うことは少ない筈です。そして3条、9条なども重要です。
  2. 計画遂行中の考え方
    常にリスクが存在することを考えた “リスク管理経営” の考え方が大切です。POSサイクルの実行です。テキスト163頁、164頁を参照下さい。
  3. 計画が狂った時の考え方
    狂いそうだ!と感じて時には即手を打つことです。計画の修正をしましょう。テキスト188頁を参照して下さい。将来が読みにくい時は、計画作成段階で、晴れ計画・曇り計画・雨計画の3つを作っておくことも必要と思います。

以上の考えで乗り切って下さい。

Q2.「売り上げを減らしながら利益を上げる」 という方針をどのように社内外に伝えたら周囲の理解を得やすいでしょうか(売り上げを減らすということを理解するのが難しい方も多いように感じます)

売上を増やすことのみを追求する弊害を説明することから始めて下さい。短期的には、売上の増加に比例して人件費や販売経費が上昇します。無理をして販売するために売上利益率の低下を招くからです。

その結果、売上高は伸びても営業利益はそれ程伸びないことに気付く筈です。

中期的には、お客様からの視線が冷めることになり、売上高は元に戻りがちです。その時に一般管理費が上昇しているため、以前よりも営業損失が増えることになります。この反動が恐いのです。

これらを分けて説明すると理解して頂けると思います。

つまり、分かり易く言うと、3つの目で考えることになります。

  • 鳥の目:営業・組織・財務・の3部門全体を俯瞰して下さい。
  • 虫の目:一つ一つを細かく見て分析して下さい。 特に売上利益率です。
  • 魚の目:全体の流れ、将来の姿を予想して下さい。

テキスト28頁 “プロ経営者に必要な目”を参考にして下さい。

Q3. 自社に合った財務計画を創る際に何をモデルや基準に計画を立てればよいでしょうか。

業界の平均値などを参考にする他は、特にモデルや基準はないように思います。私は次のように計画を立てています。

  1. 利益率の検討
    ①着手前に実行予算を組み、が行われているか?
    ②営業利益は妥当か?
    ③経常利益は黒字になっているか? 創税の考え方で決算をしているか?
  2. 借入金額の妥当性
    借入額と経常利益の関係に注意が払われているか?
  3. 資本金の妥当性
    売上額と資本金の調和が取れているか?
  4. 経費項目の調和
    ①人件費比率は守られているか?
    ②貸付金、未払金、未収金のチェックをしているか?
    ③固定費と変動費のバランスが取れているか?など

その他、様々な基準がありますが、業績、環境、経営方針などにより一概に言えないものです。

やはり、全体の調和が重要です。

Q4.ダム経営のデメリットはありますか?

ダム経営は、潤沢な資金をダムの様に貯めておき、必要に応じて流してゆくことですが、デメリットとしては2つあります。

  1. 形の上のデメリットは、金利負担に耐えられるかどうかということです。金利負担が重く考えられるようであれば、デメリットになります。しかし、利益が出ていて税金を払っているのであれば、税務署へ払う税金を銀行へ金利として払うことにしただけのことになります。 どちらが感謝して頂けるかということの判断になります。
  2. 心の上でのデメリットは、経営者自身の気持ちが絡むことです。お金があるとどうしても余分に使ってしまったり、無駄遣いをしたり、収支に対する緊張感がなくなったりすることです

この両面を考えてのダム経営であれば、圧倒的にメリットが多いと思います。

私は 「経営者は実印を持たない」 ことを勧めています。信頼の於ける経理担当者を置きたいものと思います。

Q5.家計で一番大切なことについて知りたいです。

経営者の家計については、常に不安定な生活を強いられるので、どんな時にでも困らないような“金持ち”になる必要があると思います。

金持ちとは、収入の多寡(たか)ではなく 「収入の範囲内で生活、且つその生活に満足出来る人」 のことです。

“足るを知る心” です。私は会社経営時代はずっと貧乏人でした。会社を無くし、収入が無くなって初めて本当の金持ちの意味を知りました。経営者になった以上、大切な考え方と思います。

テキスト254頁「貧乏生活を楽しむ、同時に金持ちになることを決意する」 を参考にして下さい。

3.勉強会で学ばれたい内容がありましたら教えてください。

1. 経営者の品性

次回第6章で学びます。事例については折に触れて発表してゆきたいと思います。

2.全ての項目が斬新な内容ばかりでとても心に響いています。

ありがとうございます。勉強会の内容が真理に基づいているためと思います。これからも知識と真理の違いが良く分かるように、より鮮明にしてゆきたいと思います。 

4.勉強会を通じて、自社にどんな成長をのぞまれているか教えて下さい。

①今まであまり経営の本質考えることがなかったのですが、この会を通じて毎回パワーアップしている自分がいることにとても感謝しています。

勉強会の本質を的確に捉えて下さっている表れと思います。多くの皆様にその気持ちを伝えて下さい。

②常に経営理念を全員で共有し、日々仕事に取組む中、一丸となって成長していきたいです。

経営者と社員が一心同体となって成長することこそが、理想の経営、つまり「経営体」 と呼ぶにふさわしい姿と思います(テキスト18頁を参照して下さい)

③八方良しの経営を実現したい。

経営者の社会的責任は社会性、公共性、公益性の3つあります(テキスト21頁)。八方良しの経営こそが公益責任の発揮であり、理想の経営です。

5.勉強会への質問、要望などがありましたらご自由にお書きください。

①陰陽五行思想をズーム配信して欲しいです。

現在、毎月第一土曜日、午後13:30~16:30横浜にて開催しています。 ZOOMについては事務局にて検討します。

②友人の方へテキストをプレゼントしたいと思うのですが、1部テキストを頂くことは出来ますでしょうか?どうぞよろしくお願い致します。  

現在発行中の 「経営の真理と実践」 と 「Q&A集」 については、将来本会へ参加して下さることを期待して、送料500円にて郵送させて頂いております。どうぞお申込み下さい。

古川益一より皆様へMessage

本日も沢山の声や質問を頂き感謝しています。

ありがとうございました。

古川益一 拝