経営者勉強会「財務戦略」
  • 日時:令和3年3月1日(月)18:30~21:00
  • 場所:ウインクあいち1110号室
  • 講師:古川益一
  • 司会、HP:渥美沙緒里、鈴木建太郎

1.学んだ事・ 感じた事をいただきました。

① 「売上を減らしながら利益を上げる」は財務戦略の極意と学びました。

Message

「売上げを減らす」ことはムダムラムリの排除により、売上利益率が上がることです。(営業戦略)それと共に、販売管理費が下がり、営業利益が増加します。(組織戦略)その結果、借入が可能になりダム経営となります。(財務戦略)この三つの戦略が調和すると必ずV字回復に繋がり、自然な形で成長してゆきます。

② 決算をどう創るのかが財務の要と学びました。

Message

決算書は「過去の計算結果」ではなく、「未来へのステップの基礎」ですね。

③ 数字をみるとき額ではなく率でみることが大切ということを改めて感じました。

Message

率の重要性が分かると数字欄の横に%欄を自然に作るようになります。%は「森を見て樹を見る」ことに繋がってゆくと思います。

④ 一人一人が日本人らしく周りのことを思い合える世界になれたらと思います。

Message

日本人は本来「和」が根付く国民です。現在の混乱の世の中が日本人の心によりまとまり、新たな世界の幕が開くことを期待していま
す。このように思って下さる方が増えると将来が楽しくなりますね。

⑤経理・財務・会計の区別がはっきりわかりました。今まではほぼ同じ意味と使っていました。財務は未来への判断材料が重要だと理解出来ました。創税を目指し頑張ります。

Message

「創税」は当会のオリジナル語です。税金を創造する意識を持つことは、黒字決算を計上することです。この意識が全国の経営者に広まると黒字決算の比率が、現在の20%台から飛躍的に伸びていくものと思います。是非、創税により連続黒字決算を目指して下さい。

⑥営業が会社の花形だが、いかに経理や財務が重要なのかがより深く理解できた。また、これまで財務責任者として会社に貢献していることが認識でき、役に立てておりうれしく感じました。

Message

一般的に財務責任者の認識が薄いことは、大変残念なことと思っています。多くの経営者は税理士を頼っていますが、税理士は「過去の結果を集計することが仕事であって、未来の経営判断とは根本的に違う仕事」です。このことが分かれば、経営者自らが財務の意識を持ち学ぼうとするか、財務担当者を置くようになると思います。

私の再建の仕事を通して言えることは、「財務の専門家がいない会社は必ず、傾く」ことです。そして、「財務担当者を尊重している経営者は必ず成長する」ことです。さらに、経営者と経営理念を共有出来れば盤石な経営が保証されることと思います。

⑦ 改めて財務戦略は難しいと思いました(特にB/K対応‥)。やっぱり営業利益です(目標5%)

Message

売上利益、営業利益、経常利益で最も重要なものは営業利益です。どんなに苦しくても営業利益を黒字にすることが出来れば、必ず再建出来るものです。黒字計上出来ている会社は、否応なく確実に発展してゆきます。(テキスト169頁を参照して下さい。)

⑧経理と財務など形に表れる「数字」が苦手でしたが、この「数字」をみることは必要だと感じました。

Message

数字を見ることの必要性を感じると自然な形で、数字を見るようになり、それまでの「感覚的な仕事」から「数字に裏打ちされた正確な仕事」に変化していくように思います。

⑨財務諸表の知識を知恵に変える。創税に心掛ける。

Message

「知識は経理」「知恵は財務」と言えます。この違いが分かれば、自ずと創税を心掛けるようになると思います。

⑩役員報酬を単純に増額してはいけない。役員報酬は販管費と仮払金を活用する。金額ではなく、比率でみること。

Message

この3点は経営者として考えなくてはならない財務の基本です。特に、役員報酬は決算時に決定した金額を、期間中に変更出来ないことになっています。報酬と給与の区別もあいまいです。慎重に考えて頂きたいと思います。

⑪ 経理は大事、ヘタな経理だと会社が潰れると聞いて、「責任重大っっ」と思いました。

Message

経理ほど担当者により、優劣の差が出るものはないと思います。

経理のやり方(法律)を決める立場と、実行する立場が利害が逆になっているため、どちらの考えを取るかにより、その結果が大きく違って来るものでもあります。それらを熟知して取り掛かると大変やりがいのある仕事と思います。

2.質問にお応えします

経営者勉強会への質問

Q1.労務費の考え方とは外注ということですか。社員ではない?

社員のうち、売上原価に該当する仕事をしている場合は、労務費にします。特に、製造会社、建設会社、技術系の会社などで実際に現場で働く社員は、労務費に入れることになります。

明確な決まり事ではなく、どちらに入れるかは自由ですが、人件費比率を考えて健全経営を目指す場合は、労務費に入れる必要があります(Q&A集91頁Q19を参照下さい)

Q2.役員報酬を仮払金としてどのように処理しますか。

意味がわかりかねるため、的を得ていないかもしれませんが、役員報酬を仮払金とすることは出来ません。

役員報酬は一旦、決算時に翌年の金額を決めてしまうとその一年間は払っても払わなくても、所得税と社会保険料の支払い責任が生じます。よく、「私は給料をもらってない」と言う社長がいますが、とんでもないことです。報酬額の半分近くを納めなければならないことを忘れてはなりません。

払えない事態に陥った場合は未払金にしないで、払える金額に減額しなければなりません。その際、多少の問題はありますが、断行しなければなりません。

役員報酬を多くしたために倒産する会社を多く見てきました。強く申し上げたいと思います。

Q3.社員がシステム金融にとりつかれた時、会社としてどのような態度を取れば良いでしょうか。正しい知識を伝え、警察に通報だけ良いのでしょうか?

システム金融はとても巧妙です。

違法であることを承知しているため、法律すれすれで回収を計ってきます。テキスト116頁に書いた通りですが、強い意志を持つことが何より大切です。

遠慮なく相談して下さい。

Q4.見えない世界を大切にしていると、数字にも如実に表れてくるのでしょうか?

経営体系図(テキスト36頁)にあるように経営理念と品性(土壌)は見えませんが、最も重要です。

そして経営方針と三本の枝(ヒト、モノ、カネ)は見えています。この三本の枝は重要ではありますが、土壌と根がしっかりしていれば自然と繁茂していくことが理解できると思います。

そして、情報(周囲の環境=お客様の反応)も見えません。この見えないお客様の情報(情けに報いる心)により、お客様がお客様を呼び、自然に成長していくことが理解出来ると思います。

Q5.税理士さんの見分け方を教えて下さい。

経理に対する指導の仕方、考え方を見ればすぐ分かります。

「税務面と経営面の調和」を考えている税理士さんでなければ注意が必要です。税理士の立場で考えている税理士は、経営面の相談しても理解が出来ず解決には至らないということです。

私は税理士によって倒産に至った会社を多く見てきました。表面には出てきませんが、倒産理由の上位にランクされると思います。
実際に再建の際、障害になる税理士も少なくありません。税理士はあくまで税務の専門家として参考意見を聞くものであることを忘れないで下さい。

Q6.自分自身、今の職場で経営に関わることがありませんが、一社員として今すぐ取り組めること、意識すると良いことはありますか?

経営者と社員の区別をする必要はないと思います。

どんな立場にいても、常に経営者の感覚で仕事に取り組むべきと思います。「経営理念による一心同体」となった会社ほど強いものはありません。

自分が、経営者だったらどうするか?を考えて行動するうちに、会社にとってなくてはならない存在となっていくように思います。

Q7.創税について詳しく教えて下さい。

創税そのものが、財務の目的です。経営の目的は対境関係者に対する円満な分配責任(公益責任 テキスト24頁対境関係図参照)を果たすことです。

この対境関係者の中に税務署があります。税金を払わないために赤字決算にする会社がありますが、経営責任の一つである公益責任を果たしていないことになります。

創税とは、税金を払いたくないために考えることではなく、適切な税金を納めるために考えることです。従って経営者としての社会責任を果たすことになると同時に社会への貢献に繋がります。

3.明日からやってみようと思う事をいただきました。

①今はまだ再建中なので、迷い、戸惑った時には先生の本をその都度見て考える毎日です。ありがとうございます。

Message

この勉強会がお役に立てること大変うれしく思います。

多くの経営者は、多かれ少なかれ、経営に迷っておられるものと思います。

経営を「知識」のみで捉えるのではなく、「真理」で捉えると、悩みは起きないものです。是非早く再建して、周りの皆さんにも教えてあげて下さい。

②間もなく上期の試算表が出来るので、仮決算を組み、下期の予想を作成し、社長へ提示する。

Message

社長にとってこれほどうれしいことはありません。的確な予想をする上での基礎になります。素晴らしいことと思います。経理の仕事は社長を含め関係者に伝えること、つまり「会計」の仕事になります。

③三位一体の経営戦略を見直す。B/Sより資金と安全性を分析する。

Message

三位は、多くの意味があります。私は「天地人」と解釈しています。

天の時、地の利、人の和により、調和が図られる意味です。生花の基本型でもあり、当会の「経営の樹」の樹形もそれに近づけたいと思っています。

自然との調和を意味しており、このコロナ禍を乗り切るための、大切な考え方と思います。

④毎年仮決算を必ずしていきます。

Message

決算は会社の1年間をまとめる大事なものです。良い結果を残すためには、事前に確認することは当然のことです。是非続けて下さい。

⑤少しでも数字を意識して明日から働いてみようと思います。

Message

先ずは、全体の構成を把握した上で、身近なものから取り組んでみたらいかがでしょうか?

⑥コロナの新たな世界にも必要とされる会社でいたいと思います。

Message

コロナ後の世界は全く違った世界の姿が見られると思うと楽しくなります。その中で当会で勉強される方は、模範の会社になって頂きたいと思います。

⑦ミライである財務のことを少しでも理解出来るようになるために今は、経理に集中して学んでいきたいと思いました。

Message

経理は、とても奥の深いものです。大きくなっている会社は必ず財務のプロが付いていることからも財務の重要性が分かるものと思います。とてもやりがいのある仕事です。

⑧我社ですと、以前は20対80の法則でしたが、100対0のように感じます。この気持ちを忘れないようにしたいと思います。私が気が付いていないだけかもしれませんが。

Message

知らず知らずのうちに経営者の器が大きくなっていることと思います。多くの会社の見本になって頂きたいと思います。