離婚

離婚を機に会社経営をリセット。県外へ転居、人生再建を計った。

相談内容

建設会社を経営していたが、奥さんから女性関係を疑われ離婚問題となった。

困ったF社長は、弁護士に調停を依頼したところ却ってこじれてしまい、修復するどころか奥さんは実家に帰ってしまった。

F社長は身に覚えのないために、精神的なダメージが強く経営意欲を失ってしまった。

その状態で相談に来たのであった。

経緯

離婚の話し合い

地方のリフォームを中心とした工務店で小さいながらも堅実に経営、住まいもマンション最上階にある庭付きの立派な住まいである。

しかし、気の緩みからか、徐々に交友関係も広がり、その中には女性グループもあったようである。その関係で誤解が誤解を生み、浮気と断定されてしまったようである。

離婚が決定的となった弁護士への相談

F社長は何とか円満に解決しようと思い、友人の弁護士に相談してしまった。

弁護士は話し合いのため通知を出した途端、奥さんは態度を硬化、実家へ戻ってしまった。何年も出来なかった子供がやっと恵まれた矢先の出来事である。

このような問題はあくまで話し合いで解決しなければならないが、相手は弁護士という名前を聞いただけで離婚が決定的になってしまったのであった。

これが原因で仕事への情熱が亡くなり、自暴自棄の状態になってしまった。

解決方針

私は止むを得ず、弁護士からの通知を取り止め、丁寧に再度話し合いをお願いしたが、どうしても取り合ってくれない。

相手の実家の両親が、娘が戻ってきたので離さないのであった。

普通は説得して戻すところであるが、お腹の中には孫もおり、「戻るな!庭に家を建ててあげる」という事になってしまった。

実家は裕福な家であり、慰謝料や養育費もいらないと突っぱねてきた。

生まれた赤ちゃんの産着セットを送っても送り返して来る始末だった。

これでは、やりようがない。

社長の落胆は大きくこの町そのものに住みたくないとのことである。

そこで、「病気を理由に倒産、県外へ転居」の方針とした。

解決方法

解決方法

関係者の皆さんには迷惑を掛けず、円満に処理するため、次のように手を打っていった。

①資金の確保

会社の完全閉鎖には多少の資金が必要である。それまで、銀行とのトラブルが無かったので、運転資金として500万円を借り入れ、当面の資金とした。

そして、F社長は全てをそのままにし県外へ転居した。

あとは私が取締役となり、F社長の代行者として閉鎖処理を行うことになった。

②会社の閉鎖

F社長は病院に行き、うつ病との診断書をもらい、閉鎖。

報告書を提出した。

  • 仕入先及び業者や関係者への通知
  • 借入金融機関への通知
    保証協会への代位弁済後、借入残金約4,000万円の長期分割猶予依頼
  • リース代
    コピー機などリース会社へリース物件の引き渡しと残額の長期分割猶予依頼
  • 税務署、社会保険への閉鎖通知

このようにして合計月額1~2万円での負担で済むよう話し合いでまとめた。

借入金などを「返済額から生きるための経費に置き替えた」のであった。

金融機関はこの処置に対し、怒るどころか保証協会から一括全額入金となるため、お礼を言われた。もちろん、徹底的に誠意を尽くしたからであった。

③住まいの家具処分と清掃

F社長は、家財道具など全てそのままにして、自宅へ戻りたくないとの事。仕方なく全て私が処理をした。

《家財道具の処分》

たまたま、私の娘が結婚を控えており、貧忙な状態でもあったので、そっくり嫁入道具とさせてもらった。

この頃、私も倒産まもなくの頃であり、とても助かった。娘ももらう変わりに引っ越しや掃除を手伝ってくれた。

④住まいの売却処分

F社長の親戚の不動産業者に依頼。

売却したが、担保設定してあり、売却金額全額がローン先の銀行に返済されることになる。それを少し残すための工夫をしたが、その業者の失態により、失敗したのは残念だった。

その後

第二の人生

F社長は、新天地で人生再出発をした。

病も時と共に癒え、少しづつ仕事をするようになり、数年経過。

すっかり元気となり、再婚相手に恵まれ、第二の人生を迎えようとしている。