経営の樹を育てる
  • 日時:令和3年1月7日(月)
  • 会場:ウィンクあいち1110
  • 講師:古川 益一
  • 司会・書記・HP:渥美・関上

「経営の樹を育てる会」として最初の勉強会は、会の名称の由来を知るために、「第2章経営の樹を育てる」を学びました。

01.学んだ事・感じた事をいただきました

  1. 売上利益率を守る大切さを改めて感じました。
     (売上利益率は初めから決めること、上げても下げてもダメ)
  2. 戦術と戦技は、変わらなければならないもの。
  3. 決算書を社員にオープンにし、ガラス張りの経営をする。
  4. 社員も、会社の外側の立ち位置と捉えると経営も楽に出来る。社員も経営に加わる意識を持てる。
  5. 戦略の本当の意味を深く知りました。
  6. 収支計画を、5年先から考えることに納得できました。
  7. 経常利益を決めておく創税の考えを知り、出来るようにしたいと思いました。
  8. 「経営の樹」という目に見えない樹を育て、成長させたいと思った。
  9. 戦略的思考、プロとして先手先手で手を打つことができていないと反省しました。
  10. 「プロならば、先の先を見据えて仕事をする」の言葉が心に響きました。
  11. 「それが人間というものだから仕方がない」この考え方を第一にする。
  12. 収支計画書の見方が、少しずつですが分かってきました。
  13. 収支計画表の営業・組織・財務戦略がなんとなくわかりました。
  14. 大樹をイメージすること、できることの重要性を理解した。
  15. 利益の3分割制の考え方と創税を考えること。
  16. 前回のアンケートの中で「時間のものさしを持たない」と先生に言っていただけてそうであってよかったんだと思いました。
  17. 「こうあるべきだ」と思うものを持って、仕事に取り組んで行く事は、本当に大切なん だなと思いました。

02.質問にお応えします

経営者勉強会への質問

Q1.ムダ・ムラ・ムリをなくすコツがありましたら教えてください。

まず、ムダ・ムラ・ムリの違いから考えてみましょう。

  • ムダは、時間や労力、経費などが掛かり過ぎている状態です。ムダの中で最も大きなものは人件費のムダになります。また、お客様が喜んでいないものに費やす労力や経費がムダになります。このように「ムダ無くし」の本質は、人事戦略であり、営業戦略でもあります。
  • ムラは、時間・労力・経費を掛け過ぎたり、掛け過ぎなかったりすることが混在する状態です。
  • ムリは、その仕事を達成するための労力に不足が生じている状態です。

この中で、ムラをなくすには、次の2つがあります。

① 社内的なムラ

社員のやる気のムラ…組織そのものを見直したり、標準化を進めなくてはなりません。また、就業規則などを見直す必要があります

② 社外的なムラ

季節変動によるムラや、取引先の需要変動によるムラなどです。会社の体制を、売上の低い時にシフトし、売上が伸びる時は、外注や臨時社員を使い、ムダを出さないようにしなくてはならないものと思います。
そして、取引先と密な関係を保ち、事前に需要をつかむ努力が必要と思います。

③ ムダ・ムラ・ムリの関係

この3つの「ム」の中で、最も重要なのは、ムラと思われます。「ムラがあると、ムリや遊びを生じるムダを作る」からです。従って、ムラをなくすことが、ムダ・ムラ・ムリをなくすことにつながります。

④ 根本的なムダ・ムラ・ムリの無くし方

ムダ、ムラ、ムリは、なかなか表面に表れず、目に見えないもの、あるいは気付かないものです。それらを顕在化させるためには、見方、考え方を変える必要があります。
テキスト173頁 逆も真なり…ならば10ポイント を参考にして下さい。

Q2.経営戦略とは「戦うことではなく、結果を先に決定することにより…」とお話いただきましたが、「結果を先に決定する」とは、どういう事でしょうか?

戦略とは、読んで字の如く“戦いを略す”ことであり、経営方針を具体的に実行することが経営戦略です。

経営は、多くの関係者の協力を必要とします。関係者との調和を図ることを公益性(テキスト22頁)と言い、その調和を果たすことを対境責任と言います。

その責任を果たすには、計画そのものに狂いが生じることは許させません。

つまり、計画とは未来の姿を提示することであり、先に結論を決めることから、戦略的思考と言い、結果を予測、確定した上で、目の前の出来事を修正し導いていく考え方です。(テキスト27頁)

この考え方は、再建計画に於いて最も重要な考え方になります(テキスト144頁 再建計画書作成のポイントをご覧下さい)

Q3.組織戦略の「賞与」を、販管費内の人件費と、営業外収支内の社員還元費に分ける理由をわかりやすく教えて下さい。

人件費率は、「販管費内の人件費÷売上利益」です。

この比率は40%を守ることが健全経営の基本であり、多くても少なくてもいけません。そして、この比率を守った結果として計上する営業利益を、社員の業績給として還元することを社員還元費としたものです。

この仕組みを社員に理解させることにより、社員の給与に対する不満は無くなり、やる気が上がっていくもの と思います。

Q4.真理について

「真理」とは、いつどんな時でも変わることのない正しい物事の筋道、道理ですが、とても奥の深いものです。松下幸之助氏はこのように言われました。

今までの人間の発見した真理は、まだ極一部です。ですから、真理を活用いている面が非常に少なく、従って、真理の働きが人間の繁栄のために十分生きてきていないのです。私たち人間が、もっと真理を探究し、これを生かす道を知ったならば、人間は無限に繁栄するでしょう。それは、まさに楽しさであり、天国でしょう。しかし、それはまだなかなかです。まだまだ私どもには、とらわれた考え方がありますから、なかなか容易に真理が生きて働いてこないのです」(松下幸之助発言集37より)

当会は、この経営の真理を探究することを目的にしています。その具体的なイメージが、「経営の樹を育てる」です。

これからの混乱の時代にあって「流れに飲まれず、上手に乗り切ってゆくため」経営の真理を学びたいと思います。                            

Q5.自分が慢心していると感じた時、どのように切り替えたら良いでしょうか?先生がやられていること、考え方がありましたら教えて下さい。

人間は自己中心ですから、どうしても慢心の心が芽生えます。上手く行っている時は、 特に慢心の状態になり、失敗を繰り返すことになります。

この慢心の心を切り替えるには、毎日チェックする必要があると思います。私はQ&A集15頁Q3に書いたように、「感謝」「実行」「反省」「報恩」を理念として、日記帳に書き、振り返ることを習慣にしています。

  • すべての出逢いに感謝の心を持っていたか?
  • 感謝の心と共に実行したか?
  • 反省により、報恩の心が生まれたか?

このように、毎日自問自答することを習慣にして、慢心の芽を摘み取ろうとしています。

論語から「曽子」の言葉を紹介します。

「吾(われ)日に吾(わが)身を三省(さんせい)す。人の為に謀(はか)りて忠ならざるか。朋友と交わりて信ならざるか。習わざるを伝えしか」

訳すと

「私は毎日、次の3つの事柄について、何度も反省している。人の相談相手になっ考えるとき真心を尽くさないことがなかったか?
友人と交際するのに、信義に欠けることがなかった?まだ教えてもらいながら、習熟していないことを人に教えるようなことはなかったか」となります。

03.明日からやってみようと思ったこと

  1. 組織戦略を重視します。
  2. 経営の樹を書き込んでみます。
  3. 今日勉強したことを経営者の方に伝えます!
  4. 生きているだけで丸儲けで、今日生かされたことに感謝で過ごしていきます。
  5. 心掛けというものが大切なのだと感じています。
  6. 経営計画を1から見直します。

多くの声や質問を頂きありがとうございました。