相談内容
三重県のブティックを経営している社長から、資金繰りが苦しくなりR銀行から6,000万円を借りたが、それはある税理士達の詐欺グループの誘いに乗り決算書を偽造、不正に借りてしまったとのこと。
不正借入れがバレそうである。
なんとか解決してほしいとの依頼だった。
解決方法
① 書面による通知
「これは大変なことになる」
と直感した。
会話の内容から既にバレているのは明らかだった。
これは時間との勝負と思い、
即R銀行宛に詫び状を書いた。
文面は、
「その税理士が詐欺グループとは知らなかった。とは言え私に責任があるので少しずつ返済する。その返済計画を後日提出する」
と云った内容だった。
それを翌日R銀行に提出した。
② 新聞記事となるも、告訴を免れた
すると2~3日後、日本経済新聞に写真入りで大きく報道された。
その時、R銀行では警察に被害届を提出、当事者のM社長にも捜査が入るところだったと教えてくれた。
事前にお詫びに行ったので許してくれたものであり、
ほっと胸を撫でおろした。
その後
社長はこの不正融資のストレスと罪の呵責により、うつ病となり入院した。
一旦うつ病になるとなかなか治らない。
止むを得ず、残された奥さんからの相談に乗り、店舗を閉鎖、倒産への道筋を描いてあげた。
奥さんは、献身的に夫を支えていたが、
まもなく夫婦は離婚。
それぞれ実家に戻った。
うつ病の典型的な症例は家族を悪く言うようであり、最初は病気と分かっていても徐々に悪く言われ続け、耐え切れず離婚するケースが多いようである。
再建コンサルタント:古川益一のコメント
不正借り入れは、意外と簡単なものです。
経理に詳しく金融の仕組みに精通していれば、簡単に借入審査を通すことができるものです。
私も何件か解決の依頼を受けましたが、この例のように決算書から作り直すような悪質なことをした場合、将来必ず露見するものであり、その時の恐怖に耐えきれず病気になる場合が多いものです。
絶対に、不正借り入れの誘惑に乗ってはいけません。